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世界水泳2003
メダルを目指せ!日本代表
 92年のバルセロナ五輪から11年。熱いバルセロナの夏がやってくる。今回の水泳世界選手権は、日本競泳陣にとって来年のアテネ五輪の試金石となる重要な大会だ。世界記録の更新が期待される男子平泳ぎの北島康介(20=東京SC、日体大)に注目が集まっているが、その他にもメダル候補はいる。今の日本にとって世界の壁は決して高くない。2年前の福岡世界水泳で獲得したメダルは銅4つ。それを上回る成績を残そうと山田沙知子(関大3年=KONAMI)、中西悠子(近大4年=枚方SS)らが世界に挑む。

北島 康介 特集「目指すは世界記録更新!」 >>
寺川 綾 特集「世界選手権で飛躍」 >>

 メダルの期待がかかる女子長距離のエース
◆山田沙知子(関大3年=KONAMI) 

山田沙知子  日本代表の上野広治ヘッドコーチ(44)が「メダルを取れる可能性は十分ある」と期待する女子長距離のエース。自由形の400メートル、800メートル、1500メートルの日本記録保持者でもある。

 世界選手権の代表選考会を兼ねた4月の日本選手権では、400メートル自由形で5連覇を達成。続く1500メートルでも自身の持つ日本記録を3秒53短縮する16分12秒75で圧勝。さらに最終日に行われた800メートルで2位以下を10秒以上も引き離す8分30秒51のタイムをマークして6連覇を達成し、長距離3冠に輝いた。

 国際大会でもシドニー五輪の800メートル自由形で、日本人としてこの種目初の決勝進出。昨年のパンパシフック選手権では400メートルで銅、800メートルで銀、1500メートルの銀と、日本人として初の1大会3個の個人種目メダルを獲得している。また同年のアジア大会では400メートルで金メダル獲得するなど国際大会での実績も十分だ。

日本選手権 女子1500メートル自由形決勝 自らの日本記録を更新し優勝した山田沙知子=2003年4月24日、東京辰巳国際水泳場
日本選手権 女子1500メートル自由形決勝 自らの日本記録を更新し優勝した山田沙知子=2003年4月24日、東京辰巳国際水泳場
 厳しい指導で知られる田村コーチのもと、12〜3月のオフシーズンは世界選手権に向けて海外生活に慣れるためカナダと米国で練習を実施し、スピード強化を重点において泳ぎこんだ。常に世界を意識しているだけに、日本選手権での日本記録更新にも「悔しい。16分10秒を切りたかった」と満足した様子はない。

 素顔は「卒業したらすぐに結婚したい」と笑う女子大生だ。今年初のレースとなった2月のコナミ招待では、午前中に大学の授業を受けてから出場し、短水路1500メートルでは日本記録をマーク。学問と水泳を両立させている。

 山田は世界選手権に向け「日本選手権で見つかった課題を1つでもなくすような泳ぎをしたい。競り合いに持ち込めば負けないと思う」とメダル獲得に自信を見せた。


 2年前の世界選手権の雪辱を期して大会に挑む
◆中西悠子(近大4年=枚方SS) 

 バタフライの中西も上野ヘッドコーチが「メダル候補」と期待する1人だ。

世界水泳福岡大会 女子200メートルバタフライで4位に入った中西悠子=2001年7月23日、マリンメッセ福岡
世界水泳福岡大会 女子200メートルバタフライで4位に入った中西悠子=2001年7月23日、マリンメッセ福岡
 大阪成蹊女高1年の時に、福岡で行われたパンパシフック選手権に出場するなど、その実力は早くから注目されてきた。近大1年の時にはシドニー五輪に200メートルバタフライで出場。大会直前に腰痛に苦しんだが、決勝に進出し2分9秒66の自己ベストをたたき出して7位入賞を果たした。

 今年4月の日本選手権では、100メートルが1分0秒06で大西順子(28=KONANM)に次いで2位。200メートルは三田真希(ピープル明石)の持つ2分8秒13の日本記録の更新を狙って臨んだが、優勝したものの0秒26及ばなった。プールを上がった中西は「何が何でも日本新記録を出そうと思っていたので残念」と悔しさをあらわにした。

 バルセロナでの世界選手権に向けて筋力トレーニングを重ね、スピードアップを図ってきた。01年の福岡での世界選手権では2分9秒08のタイムで4位に終わっているだけに「日本新記録を出して、メダルもついてきたらいいと思っています。2年前の悔しさを忘れずに今もコツコツと頑張っているので今回は笑えるようにしたい。来年(アテネ五輪)につながる泳ぎができればいいですね」と気合十分だ。


 鈴木大地越えを果たした錦織が世界選手権に挑む
◆錦織篤(24=ミキハウス) 

錦織篤  4月の日本選手権で「ニシコリ」の名前がクローズアップされた。鈴木大地が88年ソウル五輪の決勝で金メダルを獲得した時にマークした100メートル背泳ぎの日本記録55秒05を15年ぶりに更新。昨年世界6位に相当する54秒54の好タイムで優勝した。

 鈴木が金メダルを獲得した当時、錦織は小学4年。ラジオで快挙を聞いた。その頃から鈴木は錦織にとって目標であり尊敬する選手だった。日本選手権の決勝前には、鈴木から「後半伸びるレースをするんだ」と指示を受け記録につなげた。

日本選手権 男子50メートル背泳ぎ準決勝 錦織篤は素早いスタートから、100メートルに続きまたも日本新記録を塗り替えた=03年4月26日、東京辰巳国際水泳場
日本選手権 男子50メートル背泳ぎ準決勝 錦織篤は素早いスタートから、100メートルに続きまたも日本新記録を塗り替えた=03年4月26日、東京辰巳国際水泳場
 シドニー五輪は、代表選考となった日本選手権で6位に惨敗し逃した。その後もヘルニアに悩まされたが、バランスのいい泳ぎを心がけて克服した。昨年のパンパシフィック選手権100メートルは4位、アジア大会では日本記録にあと100分の1秒に迫る55秒06で優勝と、徐々に力をつけてきた。

 世界選手権に向けて「54秒の前半が勝負になると思います。前半(50メートル)が速く泳げれば、そのタイムは出せると思います。(日本記録を更新したが)目標は日本選手権でなくバルセロナであり、アテネ(五輪)と思って泳いでいる」とさらなる日本記録が目標だ。錦織はバルセロナ五輪で金メダルを獲得した岩崎恭子と同じ年齢。「今回、岩崎さんは広報として参加しますが、まさか一緒にいけるとは思っていなかった」と話す。遅咲きの男が一発を狙っている。


 
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