平山ハット!連続得点王だ
<全国高校サッカー選手権:国見4−0滝川二>◇準決勝◇7日◇国立競技場
まぎれもない「怪物」だった。国見の190センチFW平山相太(3年)が、ハットトリックでチームを4大会連続の決勝進出へ導いた。前半6分の先制ゴールを皮切りに、抜群のバランス感覚と決定力を発揮し左右両足で3得点。滝川二(兵庫)を4−0で退けた。4戦連発で今大会7ゴール目。選手権通算得点も15に伸ばし、最多記録まであと1点に迫った。12日の決勝は筑陽学園(福岡)と対戦。史上初の2大会連続得点王と全国制覇へ。平山が高校最後の大仕事へ挑む。
国立の歓声が驚きのうめき声に変わった。視線を一身に浴びたのはまた、平山だった。後半24分、味方のパスを胸トラップでふわりと落とすと、右足でちょんと左に出してDFをかわし不得意な左足で弾丸シュート。流れるような優雅さであっさりとハットトリックを達成した。
前半6分には、右足で先制ゴールを決めた。後半13分には「DFラインでボールを回すのが分かっていたので、狙っていた」と相手GKのDFへのパスを読んでボールを奪い2点目。身体能力だけではない、頭脳プレーで勝ち取った4大会連続の決勝進出だった。今大会は4戦連発の7ゴール。得点ランクトップに立ち、史上初の2大会連続得点王へ大きく前進した。選手権通算得点も15に伸ばし、94〜96年度出場の市船橋(千葉)FW北嶋秀朗(現清水)の持つ通算最多記録にもあと1点と迫った。
抜群のボディーバランスが大量得点をもたらす。昨年末、U−20(20歳以下)日本代表でワールドユースに出場した。フットワーク練習中に平山の番になると選手が群がった。縦1列に並べられたコーンをサイドステップで8の字に回る際、上半身がピンとそり立ったままガニまたの下半身だけが異常なスピードで移動。奇っ怪な動きと真剣な表情が「お前はロボットか」と爆笑を誘った。厳しいマークを受けながら空中戦で競り勝ち、精度の高いシュートを打てる理由は、プレー時に体の軸がぶれない下半身と上半身のバランスの強さにある。高木琢也(元広島)大久保嘉人(C大阪)ら国内トップクラスの選手を育てた小嶺総監督も「当時の彼らに比べて筋力は足りないが、素質と吸収力は格段に上」と舌を巻く。
平山はユニホームを入れるバッグに「全国制覇」と書かれたシールを張っている。昨年度、得点王になりながら果たせなかった選手権優勝。決勝で筑陽学園との対戦が決まっても「僕は市船橋と対戦したかった」と高校最強といわれたライバルの名をあえて挙げた。「1年間、優勝だけを考えてきた。得点は結果としてついてくればいい」と平常心を強調するが、得点王と全国制覇のタイトル2つを勝ち取ることが、チームと自分へのけじめとなる。
飛び級で選ばれたU−20代表に続いて、明日9日には五輪代表に2階級特進で選ばれることも確実。同代表のエース大久保は後輩の活躍に「ヘディングも強いし頼もしい。(2トップを)組んだら面白いと思う」と心を躍らせた。国見は昨年度の準決勝後に一時長崎へ帰郷したが、今回は戻らず関東圏内で合宿。将来の日本を担う怪物が、最終決戦で高校サッカーの歴史を塗り替えようとしている。【山下健二郎】
[2004/1/8/09:54 紙面から]
写真=後半9分、ゴールを決めた兵藤(手前)と喜び合う国見FW平山(撮影・野上伸悟)
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