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広島ユースが初優勝/全日本ユース

<全日本ユース(U−18)選手権:広島ユース1−0磐田ユース>◇11日◇決勝◇埼玉スタジアム◇前後半45分ハーフ◇観衆2992人

優勝し笑顔で表彰台に立つ広島ユースイレブン(撮影・たえ見朱実)
 広島ユース(中国地域第1代表)が、磐田ユース(東海地域第1代表)に1−0で競り勝ち、初優勝した。0−0の後半13分、今季Jリーグに5試合出場しているFW前田俊介(18)がDF3人をかわし最後はGKの股間を抜いて決勝点を挙げた。8月のクラブユース選手権決勝に続き磐田を下し、今季2冠となった。昨年のJユース杯から主要大会3連続制覇も成し遂げ、16日から始まるJユース杯で3冠を狙う。

 過去ベスト4が最高だった広島ユースが初優勝を果たした。0−0で迎えた後半13分、エース前田が磐田ユースDF3人を抜き、切り返しでGKの体勢を崩すと、また抜きの決勝ゴールを決めた。「ドリブルも考えたけど、相手がうまいからフェイントにした」としてやったり。日本サッカー協会の川淵キャプテンも「技術もあるし、ふてぶてしくて広島の大久保だ」と褒めた。今大会9得点で得点王にも輝いた。

 18歳以下のクラブチームと高校が争う唯一の全国大会。今年で15回目を数えるがクラブユースの制覇はこれまで99年の磐田だけだった。元日本代表DFの森山佳郎監督(36)は「クラブの選手はテクニックはあるけどメンタルやフィジカルが弱いと言われる。でもクラブと高校との違いを証明して勝ちたい」と選手に言いつづけてきた。「私自身は現役のときにテク(テクニック)が無くて苦労した」と言う森山監督は、選手にあえてテクニックと判断力を重視するサッカーを指導。走ることを中心としたトレーニングは行わず、練習や実戦で体をぶつけ合い、ボールをあきらめずに追わせてフィジカル面を鍛えてきた。その成果が表れ、第1次ラウンドからの6試合をバランスの取れた戦力で勝ちあがった。

後半、決勝ゴールを決める広島ユースFW前田(撮影・たえ見朱実)
 台風22号の影響で準決勝が9日から10日にずれた。磐田ユースは午後2時のキックオフで勝ち上がったが、広島ユースの試合は午後6時30分開始。そのため決勝まで約16時間しか時間がなかったため、選手の疲労はピークに達していた。森山監督は「めちゃめちゃハードなスケジュールだったが集中を切らさず気合いと根性で頑張ってくれた。最後の15分はボクシングで言えば、両手をダラリとたらして打たれっぱなしの状態だったがこらえてくれた。大人だったらここまでの試合はできない」と選手をほめたたえ、「クラブの選手はメンタル面が弱い」といわれることに反発した。

 強さの裏には専属寮での共同生活がある。全員が県立吉田高に通い、苦楽をともにして選手間はもとよりスタッフとの意思の疎通も抜群だ。選手は親しみを込めて森山監督をゴリさんと呼ぶ。GKの佐藤昭大主将(18)は「ゴリさんとはフレンドリーな関係。堅苦しくなくて何でも相談できる」と話した。そんな結束がここ一番の舞台で発揮された。

 16日からは3冠を目指してJユース杯が始まる。前田を含め、5人の来季トップ入りが確実。Jリーグの日程次第では大会期間中もトップチームに招集される可能性もある。しかし森山監督は「できる子はトップに行くのがユースチーム。僕らの役目は次に出てくる子を早く育てること。新たな戦力で勝ちたい」と口元を引き締めた。選手や監督の、そしてクラブの挑戦が再び始まった。




磐田、クラブ選手権の雪辱果たせず

 わずか1分…攻勢から一転カウンターを食った先にあったのは悪夢だった。準決勝まで8点を決め、最も警戒していた得点王・前田俊介がゴールキックを受け、ワンツーから猛然と前進。そこに守備の柱・森下俊が詰める。しかし「ボールを取れたかと思った」森下をあざ笑うかのようにかわす前田に、今度は右から萩原洪拓(すべて18)が行ったタックルも軽くいなされた。

後半ロスタイム、浮き球に飛び込み懸命のヘッドを放つ、磐田ユースGK八田(右)
 残るはGK八田直樹(18)ただ1人。今大会数多くの1対1を止めた守護神は「我慢して先に倒れなければ普通に止めれる」とギリギリまで粘った。しかし「考えていなかった」またの下をボールが通過した瞬間、大きすぎる1点が刻まれた。

 8月の日本クラブユース選手権決勝では1−4の大敗。その原因となった、3バックの両サイドに空くスペースのケアは前半ほぼ完ぺきだった、両サイドハーフ、ダブルボランチと3バックが連係し、広島看板の3トップを2人で挟み込んだ。しかし内山篤監督(45)も認めたフィジカル、寄せの早さなど個々の微差が後半徐々に出てきた、3−4−3の広島に比べ3−5−2と2枚多い中盤、特に両サイドMFが優位性を保てなくなり、攻撃の起点を失い押し込まれた。

 それでも後半30分以降、気力を振り絞り攻めた。「もう2位は嫌。全国一になる」と話したFW岡本達也、藤井貴(ともに18)の2トップに加え、森下がオーバーラップしトップに上がる。リベンジへ一丸となっての全員攻撃。ベンチの指示でロスタイムには八田も上がり、浮き球に飛び込むも「いいのが来て焦った」とボールは頭をかすめた。終了の瞬間、イレブンはピッチに崩れ男泣きした。

 寮には、8月広島に敗れた時の集合写真が飾られている。でもイレブンは「死んだような顔をしていたから」と、誰1人写真を受け取っていない。借りは2倍になって、年末のJユース杯に持ち越しとなった。「苦しい時に決めるのが本当の選手。やることはまだたくさんある」(岡本)。J昇格6人を含め絶対、このままで終わるわけにはいかない。【村上幸将】


 
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