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北島五輪内定も集中欠く/競泳日本選手権

<競泳:日本選手権兼アテネ五輪代表選考会>◇2日目◇21日◇東京辰巳国際水泳場◇男女計3種目決勝ほか

 男子100メートル平泳ぎで世界記録保持者の北島康介(21=東京SC)が1分0秒39で5連覇を果たし、アテネ五輪代表に内定した。予選、準決勝と不満のレースが続いて迎えた決勝は、前半に世界記録を上回るペースで観衆を沸かせたが1分を切ることはできなかった。女子100メートルバタフライは大西順子(29)、男子100メートル背泳ぎは森田智己(19)がともに日本新で五輪代表の座をつかんだ。

 北島が50メートルをターンすると、場内からどよめきが起きた。世界記録樹立時を0秒36上回るペース。大会前に「自己ベストを狙う」と宣言していた。自己記録=世界記録。平日でもほぼ満員に埋まった観衆の期待は高まった。だが、前半のリズムが後半に入ると崩れ、最後は伸びを欠いた。

 記録を意識し過ぎた。「ターンしてすぐにスパートのようになった」と平井コーチ。はやる気持ちからストロークは前半より5回増え、持ち味のキックを利かした大きな泳ぎが消えた。世界記録に0秒61及ばなかった。「記録について突っ込まれるのは痛いけど…。1分を切れなかったのは残念です」。五輪シーズンに入り、自分の記録に0秒24差と迫ってきたミュー(英国)らのライバルの存在を意識した影響も否定できなかった。

 予選1分1秒20、準決勝は1分0秒99。自分の泳ぎを見失っていた。ライバル不在の国内選考会。昨夏の世界選手権2冠で、すでに照準は五輪金メダルに絞った。記録との闘いとはいえ、集中力を欠いていた。そんな北島を救ったのは親友の涙だった。20日の男子400メートル個人メドレー決勝でチームメートの三木が3年間の不振を乗り越えて代表に内定。目の前で泣きじゃくる1年後輩を見て、心に火がついた。この日の朝には伸ばしていたヒゲもそって気合を入れた。

 最大のライバルとされるモーゼス(米国)のピート・モーガン・コーチが田中雅美を指導するため会場を訪れていた。同コーチは北島を「とてもいい状態。グッド・アスリートだ」と警戒した。もっとも、この日のタイムでは自分が制した世界選手権で表彰台に上がれない。「アテネでは絶対ベストを更新して一番いいメダルを取りたい」。心技体すべてがそろわなければ世界の頂点はないことは、本人も十分に分かっていた。【田口潤】

[2004/4/22/10:16 紙面から]



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