<競泳:日本選手権兼アテネ五輪代表選考会>◇4日目◇23日◇東京辰巳国際水泳場◇男子200メートル平泳ぎ準決勝、男子200メートルバタフライなど決勝4種目
日本水泳界にケタ外れの怪物が誕生した。19歳の松田丈志(中京大)が、わずか1時間で2種目を制覇。男子200メートルバタフライで初優勝してアテネ五輪代表を決めると、40分後にスタートした1500メートル自由形も快勝した。スタミナ系の種目を連続して制する驚異的な体力で、一躍五輪のメダル候補に躍り出た。女子800メートル自由形は山田沙知子(21)が8分23秒68と世界に肉薄する日本新で制し、400メートルに続いて代表を決めた。
2種目を制した松田は、息さえも切らしていなかった。「普段の練習を、きちんとこなしているから大丈夫」とケロリ。184センチ、78キロの体が生み出す並はずれた体力で、驚異の2冠を達成した。
タッチの差で、200メートルバタフライを初めて制した。日本記録を上回るペースで飛び出した山本を、体半分の差でピタリと追走。150メートルは0秒52遅れてターンして「ラスト50メートルにすべてをぶつけた」。言葉通り、一気に差を縮め、最後の最後で競り勝った。
わずか40分後、松田は1500メートル自由形決勝のスタート台にいた。普通は掛け持ちすることがないからこそ、同日に設定された2種目。それでも、1000メートル以降独泳する圧勝だった。
前日22日は、200メートルバタフライの予選、準決勝、日本新を樹立した1500メートル自由形予選と3レースをこなした。2日間合計5レース、初日の400メートル自由形の予選、決勝を合わせて7レースすべてでトップタイムを記録してみせた。
一昨年、昨年と、久世コーチとオーストラリアに出かけ、シドニー五輪1500メートル自由形金メダリストのハケットと練習をこなした。「ストロークのスピードの違いに驚いた」。1週間で約100キロも泳ぎ込み、昨年の練習では、100メートル自由形で、1度だけハケットに勝つまで成長した。
久世コーチとの二人三脚は、すでに16年になる。松田が4歳の時に、東海(とうみ)SC(宮崎)に入ってからだ。中2の時、手のひらで水を感じさせるために、自由形の練習としてバタフライを取り入れた。練習の一環が、瞬く間に本職の自由形との「二刀流」になった。久世コーチは「長距離の自由形で鍛えた腹筋や背筋が、バタフライに役立った」と話す。たくましく成長した日本の怪物が、アテネで世界の怪物に変身する。【吉松忠弘】
[2004/4/24/09:49 紙面から]
写真=男子200メートルバタフライで優勝した松田(左)は2位の山本と握手(撮影・野上伸悟)
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