一条徳村、初の開幕ハット/高校サッカー
<高校サッカー:一条5−2甲府東>◇30日◇国立◇1回戦
第84回大会はハットトリックとともに開幕した。1回戦で一条(奈良)FW徳村真ノ介(3年)が甲府東(山梨)戦の前半8分、直接FKで大会第1号ゴールを決めた。さらに直接FKと右ボレーで3得点をマークし、開幕戦を行う現行制度になった99年度から初の記録を達成した。試合も5−2で全国初勝利を挙げた。
ド派手なアピールだった。一条のFW徳村は、20メートルを全力疾走して甲府東のゴール前に滑り込んだ。地面スレスレで右足を振り抜く。豪快なスライディングボレーシュート。開幕戦初の記録を達成した主役は、誇らしげに右手を高く掲げた。「狙った。狙ってやろうと思っていた。うれしい」。終了間際の後半39分、まさに駆け込みハットトリックだった。
前半8分と後半6分には相手GKのハンドで得たラッキーな直接FKを冷静に沈めた。この日はいつもは蹴らないFKキッカーを志願。前田監督は「就職活動! と思って蹴ったな」と苦笑いした。無名の新星FWが全国へ名前を売り、チームを初勝利に導いた。
ラストチャンスと決めている。勉強は県内有数の進学校の理数系クラスで5番の好成績。「今年ダメなら浪人して進学する」と言う。サッカーでの有名私大の推薦入試は断った。秋には神戸、名古屋の練習に参加したが、契約ならず。最後の大会でプロの目に留まらなければあきらめる。観戦したあるスカウトは「この時期はもう来季編成が固まっているんだが…」と悩ましげに言った。
雑草軍団の星だ。市立の一条は、土の練習場を野球部など4クラブと併用。照明も不十分で蛍光オレンジのボールで練習する。Jの下部組織出身はおろか、スポーツ推薦の入部者もいない。だが狭い練習場は細かいボールタッチと判断力、そして負けん気を育んだ。「Jリーグでやりたい。頑張って上に行きたい。次も勝って(前回優勝の)鹿児島実業とやりたい」。6歳から始めたサッカーを続けるために、がむしゃらにゴールを狙う。【益田一弘】
[2005/12/31/10:42 紙面から]
写真=後半11分、FKでゴールを決めた一条FW徳村はNO・1ポーズで応援団の声援に応える(撮影・たえ見朱実)
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