北島ぼう然…100平連覇逃す
<水泳世界選手権>◇9日目◇25日◇カナダ・モントリオール
アテネ五輪平泳ぎ2冠の北島康介(22=日本コカ・コーラ)が、惜しくも連続金メダルを逃した。100メートル平泳ぎ決勝で59秒53の日本新記録をマークしたが、ライバルのハンセン(米国)に0秒16差で敗れ銀メダル。03年世界選手権、昨年のアテネ五輪に続く連覇は逃した。それでも全3レースで59秒台をマークするなど、泳ぎの内容には満足しており、08年北京五輪へ大きなステップとなった。
ゴール後、電光計時板の方をぼう然と見たまま、動けなかった。世界記録を追いかけるハイレベルなマッチレースでの惜敗。北島は隣のコースを泳いだ勝者ハンセンと抱き合って、相手の勝利はたたえた。だがライバルに敗れた悔しさは隠し切れない。その後は表彰式、会見でも言葉を交わすことはなかった。「彼は昨年の(五輪の)リベンジができてうれしいでしょう」と悔しさをにじませた。
日本記録を更新しても、勝てなかった。好スタートで飛び出したハンセンが、わずかにリードして前半を27秒95で折り返した。北島は0秒34差の28秒29で食らいついたが、相手が苦手なはずのターンでも差は縮まらない。「最後はちょっと焦った」。タッチのタイミングも外して、わずか0秒16、距離にして27センチほど届かなかった。
主な世界大会では初めての銀メダル。王座を明け渡し、平井コーチも「複雑な心境です」と苦笑いした。59秒53の記録が示す通り、泳ぎ自体は上出来だった。4月の日本選手権で出遅れを露呈。緊急の筋力トレーニングの後、前方で水をつかむことを意識した泳ぎの改良に取り組んで、世界の舞台に間に合わせた。
スプリント勝負にかけた集中トレの経験で、さらなる進化に自信が持てた。今回の銀メダルは北京五輪への第1歩。「4年間の1年目として考えれば二重丸です」と話した。今後は「世界記録を出さないと勝てない」と口をそろえ、高速レースに備える。またアテネ五輪で米国勢に泳法違反と騒がれたスタート、ターン直後のドルフィンキックが、規程変更で1回使用可能になり会見で「タイムにつながれば使いたい」と、どん欲さも見せた。
まだ五輪種目外の50メートルのレースが残っているが、北島は今大会終了後、来季に向けて計画通り10月1日から練習を再開する予定。世界一の座を失った今年の経験を糧に、北島がリベンジと世界記録奪回に燃える。【佐藤智徳】
写真=2位に終わった北島。手前は優勝したハンセン(共同)
[2005/7/27/09:33 紙面から]
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