メダル守った今村銅
<水泳世界選手権>◇13日目◇29日◇カナダ・モントリオール
今村元気(23=ムラサキスポーツ)が男子200メートル平泳ぎで銅メダルを獲得した。作戦通りに後半の追い込みで自己ベストの2分11秒54。4月の日本選手権でエース北島康介を破った男が、世界の舞台でしっかり結果を出した。
「気持ちよかった」。今村はアテネ五輪で北島が叫んだ「チョー気持ちいい」より遠慮気味に、銅メダルの喜びを表した。「康介の分も頑張る」と口にする一方で、本音は北島が出場しなくてメダルを逃したと言われたくなかった。4月の日本選手権で五輪金メダリストを倒しても脇役扱いだったが、この日は完全に主役。表彰式でメダルをもらった後、母美千代さんと抱き合い、代表選手の応援団にもみくちゃにされた。
元気に泳いだ。出場権のない北島に「頑張れよ」と激励されて、決勝のレースに臨んだ。スタートから世界記録ペースで飛び出したハンセンをマークしながら、焦らず自分のペースを守った。150メートルを5位でターンすると、最後まで粘って3位でゴール。自己ベストを0秒16上回り「作戦通りに自分のレースができた」と喜んだ。
北島からの「脱却」がメダルへのキーポイントだった。昨年のアテネ五輪200メートルで準決勝敗退。それまでずっと北島の泳ぎをまねてきたが、それを機に自分に合った泳ぎを必死に探した。最も納得できたのは、元世界記録保持者で北島のライバルだったモーゼス。水をかいた後に頭を突っ込むような体重移動が気に入り、1年かけてマスターした。
本格的に水泳を始めたのは中学3年から。今の選手では超スロースタートだが、裏を返せば驚異のスピードで成長して世界大会のメダルに到達した。高校ではインターハイ出場も無名。一般入試で入った東海大では、ボクシングやサッカーなど加藤コーチのユニークな指導を受けて着実に力を伸ばした。
メダルを獲得しても北島への敬意を忘れない。「康介が出ていたら4位。彼はまだ雲の上の存在。北京では並んで泳げるようにしたい」。08年北京五輪まで、どこまで成長するか楽しみだ。【佐藤智徳】
[2005/7/31/10:03 紙面から]
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