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八千代28年ぶり4強/高校サッカー

前半34分、八千代FW山崎(中央)は先制のゴールを決める(撮影・進尚幸)
前半34分、八千代FW山崎(中央)は先制のゴールを決める(撮影・進尚幸)

<高校サッカー:八千代2-1丸岡>◇準々決勝◇5日◇三ツ沢

 八千代(千葉)のクールスナイパーがチームを28年ぶりに4強に導いた。磐田入りが内定しているFW山崎亮平(3年)が前半34分、後半33分と2得点。根っからの点取り屋が、3戦無失点で勝ちあがってきた丸岡(福井)のカテナチオをこじあけた。作陽(岡山)のMF小室俊之(3年)も2発で静岡学園(静岡)を下し、4戦4発で得点王争いのトップに立った。作陽は神村学園(鹿児島)盛岡商(岩手)とともに初の4強進出を果たした。準決勝は6日、国立競技場で行われる。

 狙った獲物は逃さない。前半34分、山崎が相手のミスしたボールを奪い、ゴール前中央から右に流れる。フェイントを入れてDFを振り切ると、角度のないところから強烈に右足を振り抜いた。福井県予選以来7戦無失点だった丸岡カテナチオを破ると、後半33分には、MF米倉のFKが相手GKにはね返されたこぼれ球に素早く反応。右足で2点目を流し込んだ。3回戦野洲戦から2戦連発。米倉を「やっぱり本物のストライカー。しっかり仕事をしてくれた」とうならせた。

 必要以上のことは話さない。2得点について山崎は「1点目は相手のミス。2点目は詰めるだけ。ラッキーでした」と笑顔もほとんどなし。丸岡がここまで無失点だった感想を聞かれても「別に意識していませんでした」と表情は変わらなかった。1回戦の国見戦でねんざした左足首についても「別に気にするほどじゃないので」とさらりと受け流した。

 八千代が誇る2枚看板について、砂金(いさご)監督は「米倉は優等生、山崎は職人」と評する。米倉は複数のポジションをこなし、快活な性格の主将。一方、山崎は普段はどこにいるのかというぐらい静かな半面、ひとたびピッチに立てばFWとしての仕事をキッチリこなす古風な男だ。

 同監督は「20年以上も指導者をやっているけど(国体で指導した)佐藤寿人も含めて、山崎より点を取れる選手はいなかった」と、日本代表FWで広島のエースを引き合いに出して絶賛する。今季入団が内定している磐田の鈴木強化部長も「スピードの緩急や独特のリズムは天性のもの。なかなかいないタイプ」と目を細めた。

 表情にこそ出さないが、山崎にとっても国立は特別な場所だ。FC千葉なのはなの一員として出場した中3時の高円宮杯準決勝で敗れ、国立で行われる決勝を逃した苦い経験がある。6日の準決勝で夢にまで見た舞台に立つ。「僕は運動量も特別にないし、点を取ることしかできないんで」。験担ぎもなし、好きな選手もいないゴルゴ13ばりの「クールスナイパー」。次の標的は、チーム初の決勝進出だ。【栗田文人】