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大前2発で流通経大柏初V/高校サッカー

流通経大柏対藤枝東 先制ゴールを決めた流通経大柏MF村瀬(左下)
流通経大柏対藤枝東 先制ゴールを決めた流通経大柏MF村瀬(左下)

<高校サッカー:流通経大柏4-0藤枝東>◇決勝◇14日◇国立

 流通経大柏のFW大前元紀(3年)が史上初の得点王3冠を達成した。全国高校サッカー選手権決勝戦が14日行われ、流通経大柏が藤枝東に4―0と圧勝し、初優勝を果たした。清水入りが内定している大前は、4得点すべてに絡む2得点1アシストの活躍で、得点王とチーム2冠を達成した。今日15日、U―19日本代表としてカタール遠征に出発するため、静岡市内で個別での清水への入団会見を行う。

 優勝が決まると、大前は静かに喜びをかみしめた。得点を決めたときのような、ガッツポーズはない。目にたまった涙をこらえるように、うつむき、地面を見つめながらピッチを後にした。「3年間、選手権のことだけを考えてきた。最後は笑って終わりたかった」と、充実感に浸った。

 前半6分、いきなりみせた。ペナルティーエリア内で相手DF3人に囲まれてもボールを渡さない。中央のMF村瀬にパスし、先制点をおぜん立て。「あれでみんな前向きになれた」。大観衆を前にしたチームに、余裕をもたらした。後半3分には、角度のない所から、後ろに下がりながら右クロスを、左足ボレーで突き刺した。同17分にも追加点、同26分には大前のCKから4点目。全得点に絡んだ。「3度目の得点王は実感ないけど、やはりFWとして点を取りたい」。強気な姿勢が功を奏した。

 大前が点を取ることに強くこだわるのは、理由がある。町田JFCに所属していた、中学1年時のコーチは、元柏でプレーした熊埜御堂(くまのみどう)智氏だった。その年の都大会。目標のベスト8入りをかけた試合は、0―0でPK戦に。同コーチから1番目を指名されると、「イヤだ。足が痛い」と、仮病を使った。結局、2番目に蹴ったが、代わりに1番目に蹴った選手の失敗が響いて負けた。

 試合に負けた悔しさ、そして何より自分の精神的な弱さがこたえた。帰りの車の中では泣きじゃくって言葉にならなかった。「今でもしっかりと覚えている。もっと自信を持たないといけないということを知った」。そのときの経験が、今も大前を支えている。

 今でも同コーチを慕う。全日本ユース選手権で勝ち進んだ10月、成長した姿を見せようと試合に呼んだ。そこで「自然と目に入るような選手になれ」と言われた。この日の2発を加え、今大会通算7得点。得点王3冠を獲得し、同ユース選手権とのチーム2冠も達成。同コーチの言う存在感やオーラを身につけ、Jに挑む。「1年目だけど挑戦ではなく、どれくらい通用するか戦っていく」。最高の形で高校サッカーを終えたこの日を、新しい出発点に、まだまだ走り続ける。【栗田成芳】

[2008年1月15日15時48分 紙面から]




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