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 第5回

 夏の総体覇者・帝京が夏冬2冠を目指して全国高校選手権に挑む。全国高校選手権は12月30日に開幕。帝京は31日に東京・西が丘サッカー場で初芝橋本(和歌山)との初戦を迎える。これまで選手権では戦後最多の6回の優勝を誇るが、総体との2冠はまだない。東京都予選を無難に勝ちあがり、全国大会前に3回の合宿を行なって準備を整えた帝京がいよいよ本番を迎える。

平井絵美インタビュー
 こんにちは。平井絵美です。いよいよ高校サッカー最大のイベント全国選手権がはじまります。私の応援する帝京は12月31日の初芝橋本(和歌山)との試合が初戦になります。夏のインターハイで優勝している帝京は追われる立場で、各校のマークも厳しいと思いますが、絶対に優勝してほしいと思います。また寒い日が続くので、選手の皆さんには体調管理に十分気をつけてほしいと思います。
 さて、きょうはキャプテンのDF山口貴弘クン(3年)に、選手権に向けての意気込みなどを聞いてみました。
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  調整は順調  

 大会2週間前の18日。帝京は川口市・青木町公園陸上競技場で埼玉代表の武南とテストマッチ(練習試合)を行った。武南といえば選手権に12回出場し、60回大会(81年度)では優勝した実力派。その強豪を相手に帝京は前半6分に先制を許したが、同15分に右CKをMF中村英之(3年)が押し込み同点。その後は両者一歩も譲らず80分の試合を終えた。テストマッチとはいえ、本番さながらにPK戦の末、4−5で敗れたが本番に向けて順調な仕上がりを見せた。

 古沼貞雄監督(62)は「調整具合?こんなもんじゃないですか。よくはないが、悪いというわけでもない」と言葉を濁した。一方、山口貴弘主将(3年)は「中盤とディフェンスラインのバランスが悪くて相手に抜かれてしまった。でも修正はできますよ」と反省を口にしながらも、収穫のあった一戦を振り返った。

  茨城・波崎町で3泊4日の合宿  

練習試合 帝京対武南 巧みなドリブルワークで相手DFを抜く帝京FW大沢(中央)
 この試合の直前には、茨城・波崎町で3泊4日の合宿を行った。ダイレクトにパスをつないだ後、そこから攻撃する練習を繰り返した。山口は「(きょうの試合では)ボールはうまく回ったが、相手がいることで攻撃までつなげなかった。本番では、仕掛けるパスや仕掛けるシュートが出るようになればいいと思う」と課題点を挙げた。

 大会前の合宿は3回。武南との練習試合の翌々日から再び茨城・波崎町で3泊4日、さらにその翌日からは静岡で同じく3泊4日の合宿を行った。本大会はすべて芝のグラウンドで行われる。帝京の練習グラウンド(校庭)は土のため、芝とはボールの弾み具合も違えば、ドリブルをしたときの感触も異なる。もちろん土では思い切ったタックルもできない。芝のグラウンドを求めての合宿で選手たちは本番モードへ気持ちを高めた。

  「総体は五輪、選手権はW杯」  

練習試合 帝京対武南 相手DFと競り合う帝京FW石原(左)
 帝京の選手権優勝回数6は戦後最多。しかし91年度大会での優勝(四日市中央工=三重=との両校優勝)を最後に10年間、栄冠から遠ざかっている。もちろんその間にも7回の選手権出場を果たし、3回の準優勝(94年度、97年度、98年度)を記録しているが「常勝・帝京」を知る人たちから見れば物足りない成績といえる。古沼監督は「Jリーグができたことで、首都圏のいい選手はJリーグの下部組織に行ってしまう」と現状を嘆いた。今年の選手もU−18日本代表のFW大沢朋也(3年)こそいるものの、全体的には小粒な印象を受ける。GK山下高明(3年)は「傑出した選手がいないからこそ組織力と気持ちで勝負したい」と話し、全国総体を制した。しかし高校生にとって「総体は五輪。選手権はW杯」(荒谷守コーチ)。全国選手権はマスコミの注目度も高く、高校サッカーの集大成といえる

  1戦1戦大事に戦うだけ  

 古沼監督は総体優勝後も「このチームは決して強くない」と言い続けてきた。選手はその言葉を受け入れつつも、強い気持ちで予選を突破した。「今まで帝京はインターハイ(総体)と選手権の2冠というのはないので、優勝して歴史に名を刻みたい」とFW石原大樹(3年)。山口主将は「2冠へのプレッシャー?ないです。あくまで1戦1戦を大事に戦うだけです」と冷静に大会を見据えた。帝京は1月13日の決勝の舞台に上がることができるのか。王者の真価を問われる時がきた。


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