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 最終回

帝京・松沢
帝京の新主将・松沢(選手権準々決勝国見戦から)
 来年度の全国選手権制覇を目指す帝京(東京)が1月18日の新人戦都大会でスタートを切った。昨年のチームは夏の総体で全国優勝を飾ったが、全国選手権では準々決勝で国見(長崎)に0−1で敗れ国立競技場のピッチを踏むことはできなかった。新チームは敗戦の翌日(1月6日)には練習試合を行ない、18日の新人戦1回戦では足立学園に3−1で快勝した。MF松沢朋幸(2年)の新主将就任も決定、先輩が成し遂げられなかった選手権優勝を目指して突き進む。

平井絵美・取材日記
 こんにちは。平井絵美です。新しい帝京サッカー部が始動しました。昨年のチームは全国大会の準々決勝まで進出しましたが国見に敗れ、念願の全国制覇はできませんでした。今回の新チームの取材は私にとって最後の帝京サッカー部の取材となります。なんだか寂しい気持ちと、新チームに対する期待を込めて練習を見学してきました。
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  選手権敗退後、大沢が関口に…  

 帝京の全国選手権制覇、そして夏の全国総体との2冠という夢は準々決勝、国見(長崎)戦で途絶えた。0−1の惜敗。全国総体決勝では2−1で勝った相手だったが、選手権では体力で勝る国見の勢いを止めることができなかった。

 3年生にとっては、もちろんこれが最後の試合。試合後のロッカールームはむせび泣く選手の声に包まれたが、そんな中、新チームの中心選手となるMF関口訓充(2年)に、エースのFW大沢朋也(3年)からスパッツが手渡された。そのスパッツは大会期間中、大沢の動きを支えていたものだ。そこには「自分が(連れて)行けなかった国立へ、来年はおまえが連れてってやれ!」という文字が書かれていた。新エースへの期待。1年間このチームを支えてきたエースからのエールは関口の心に大きく響いた。

  敗戦翌日に練習試合  

帝京・関口
新チームのエースとして期待されるMF関口(選手権都予選国学院久我山戦から)
 「来年こそは……!」。敗戦翌日には練習試合に臨む新チームの姿があった。しかし敗戦の悔しさは、そんなに簡単に振り切れるものではない。新主将のMF松沢は国見戦で、相手FW平山相太(2年)をマークしていたが、その平山のヘディングシュートで唯一の失点を喫していた。そのショックもあり「(選手権で負けてすぐの頃は)練習にも正直なところ身が入らなかった」と告白した。そんな気持ちを感じていたのは松沢ばかりでない。新チームのエース関口も「練習試合をやってもやる気が出ないというか、身が入らなかった」と脱力感がありながらのトレーニングだった。

 新チームの柱となる松沢には「チームがうまくまとまらない」という不安がある。そんな時には3年生に電話やメールで相談し試行錯誤して、少しずつ新チームすなわち自分たちのチームを作ろうとしている。松沢は新チーム結成直後に、頭を丸刈りにして気合を入れた。「みんなで協力して去年のチームを超えるぐらいまとまりのあるチームにしたい。点をとられない強いサッカーをしたい」と口元を引き締めた。

  可能性秘めた選手多い新チーム  

帝京・田村
1年生ながら全国選手権に出場したFW田村(選手権2回戦佐野日大戦から)
 チームの中心となる関口は、一時はおさまっていた腰痛が昨年夏頃から再発し全国選手権でもその腰痛と戦いながら試合に出場していた。現在も痛みがひどくなれば兄・宣弘さん(23)からハリの治療を受け、痛みを和らげている。それでもサッカーはやめられない。不完全燃焼で終った選手権で再びリベンジするためにも休んではいられない。97年度の選手権決勝は雪の中で帝京と東福岡が覇権を争った。その当時、関口は小学校6年生。その決勝が深く印象に残りサッカーに専念したいと思って帝京に入学した。あともう少しで手が届くというところで逃した憧れの舞台・国立競技場。今年その夢を果たせなかった3年生のために、そして何よりも自分のために再び挑戦が始まる。

 新チームには局面を打開できるドリブルが持ち味の大沢や、ロングパスや正確なキックに定評のあったMF中村英之(3年)らのような突出した選手はいない。しかしこれから大きく飛躍する可能性を秘めた選手は多い。小柄ながらスピードのある関口。ボールキープに優れパスの精度も高いFW樺山知伸(2年)。身体能力の高いFW田村洋平(1年)。彼らは全国選手権も経験しており古沼貞雄監督(62)の期待も大きい。

  目標はあくまで全国制覇  

 16日の練習中に松沢は左ひじを脱きゅうし、18日に行われた新チームとして初の公式戦である新人戦1回戦(対足立学園)は主将不在での一戦となった。しかし帝京は3−1で快勝し、貫禄を見せつけた。チームの目標はあくまでも全国制覇。常勝を義務付けられている。松沢主将は「今年は関口を中心に組織力で勝負していきたいし、それができるチームだと思う。3年生が築いてくれたものを崩さず、それを土台にしてさらにいいチームにしたい」と力強く語った。様々な重圧。厳しいトレーニング。これからどんな苦難が待ち受けていようと、それに立ち向かう覚悟はすでにできている。すべては1年後を笑顔で迎えるために。


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