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川淵キャプテン、水島工に「誤審」謝罪

 日本サッカー協会の川淵三郎キャプテン(会長=66)が水島工(岡山)に「誤審」をわびた。30日、東京・国立競技場で行われた全国高校サッカー選手権大会の開会式直後、自らチームに出向き「迷惑をかけて申し訳ない」と異例の謝罪をした。水島工は11月10日岡山県予選決勝で作陽のVゴールを主審が見逃すという誤審により出場権を得たことで、一部から嫌がらせや、批判も浴びていた。川淵会長は謝罪後に「試練を乗り越えて戦ってほしい」と激励。苦悩してきた選手たちを勇気づけた。

 開会式後に川淵会長は会場を抜け出した。競技場裏にいた水島工の一団を見つけると躊躇(ちゅうちょ)なく輪の中へ入っていった。監督と選手を前に切り出した。「審判の不手際で迷惑をかけて申し訳ない。ゴタゴタを忘れて、大会に集中して水島工の力を証明してほしい」。さらに続けた。「試練を乗り越えてこそ、その人間の感受性がつくられる。今回のことを次のステップに役立ててほしい」。サッカー界トップの謝罪と激励を、選手たちは直立したまま聞いた。

 訪問は5分前にチームに伝えた。だが、突然の思い付きではなかった。「絶対に会って、話をしたかった。勇気づけたかった。協会の不手際でいろいろと迷惑をかけた。自分のひと言で、少しでも選手の気が楽になればいいと思った」。

 誤審は11月10日の岡山県予選決勝で起きた。作陽の猛抗議も通らなかった。しかし全国大会出場権をかけた決勝戦で、延長戦でのゴールを見逃すという前代未聞の事態は波紋を広げた。日本協会は4日後の審判委員会で試合をビデオで検証。その結果「判定は間違い」と認めた。事態を正面から受け止め、うやむやにはしなかった。だが結果は覆らない。「試合は成立している」という岡山県協会の判断を支持した。どんな状況であれ「主審の決定は最終」という大前提を変えることはできなかった。

 日本協会の最終判断が出て、作陽では県協会に救済措置などを含めた質問状を提出。だが混乱したのは「幸運」を手にしたはずの水島工も同じだった。学校に抗議電話、手紙が全国から殺到。脅迫まがいのファクスすら届いた。その内容は学校関係者にとどまらず、選手の耳にも届く。チームは揺れた。選手での「辞退すべきなのでは」の話し合いが続いた。苦悩したエースストライカーが出場辞退を表明、13日締め切りの今大会エントリーから外れた。

 それだけに川淵会長のこの日の行動と言葉はチームに大きな励みになった。吉竹慎吾監督(38)は「ありがたかった。いろんな意味で注目されているけど、自分たちの力を出し切るしかない」と話す。今日31日、初戦の秋田商戦に臨む。MF渡辺圭一主将(3年)も「悩むことはあったけど、自分たちのサッカーをやるという高い意識でいる」と言い切った。

写真=あいさつを終えて主賓席へ戻る川淵会長


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