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地球環境、最短8カ月で1勝

<地球環境3−1立正大淞南>
◇12月31日◇さいたま駒場スタジアムほか

 通信制高校として初出場した地球環境(長野)が立正大淞南(島根)に快勝し初戦を突破した。FW下司隆士(2年)が後半2ゴールを挙げるなど、3−1で勝利を収めた。昨年4月の開校からわずか8カ月という史上最短記録で全国選手権1勝を挙げた。桐蔭学園はU−19日本代表のFW阿部祐大朗(3年)が、1ゴール1アシストと全得点に絡む活躍で松山工に2−0と快勝した。

 走り続けた ピッチの上で次々と主力が倒れた。後半44分に司令塔のMF尾田が左足を抱えてあおむけになった。ロスタイムには主将のDF西田が叫びながらうずくまった。足がけいれんを起こしたのだ。全員が自慢のスタミナと体力が尽きるまで走り続けた。足の痛みは全力ファイトのあかしだった。

 開校8カ月で全国大会のピッチを踏んだ。初の通信制高校という話題が先行して注目を浴びた。しかし、緊張することも、浮かれることもなかった。試合開始の笛から自分たちのサッカーを貫いた。試合前に松本育夫監督が言った。「相手はスタミナに難がある。前半は耐えて後半勝負」。その戦略を忠実に実践した。

 勝負強さを見せた。6本のシュートのうち3本を決めた。後半19分に先制ゴールを挙げたFW下司は、同24分に約25メートルのプロ顔負けのループシュートを決めた。「気持ちよかったですね」。全員が自分の力を出し切った。「うちの選手には精神的なたくましさがあるんです」。松本監督は強調した。

 通信制のため授業は週1回。1日の練習時間は3時間以上も取れる。しかし、決してサッカー漬けの生活ではない。ほとんどの選手が毎日アルバイトをしている。3点目を決めたDF中塚秀が言う。「僕は毎朝5時半から8時まで郵便局でバイト。そして午前と午後に練習です。ホントしんどい。でも親に迷惑はかけたくないからね」。

 大会登録メンバーは17人しかいない。全員が1度は夢破れてサッカーをあきらめた選手たちだ。不登校の生徒もいる。苦い挫折を経験したからこそ「今度こそは」の意地がある。好セーブ連発のGK桑原はガソリンスタンドの店員でもある。「この学校にきて自立した。精神的に強くなった」。この日の試合がその言葉を証明していた。【首藤正徳】

 ◆私立地球環境高校 長野・佐久市に昨年4月に開校した広域通信制・単位制の普通科高校。母体は地元の学校法人が経営する環境管理に関する専門学校。関東・中京エリアならびに長野県在住および在住予定の生徒を募集。通信授業による受講が基本で、月1回の通学が課せられる(サッカー部は週1回)。

 ◆松本育夫(まつもと・いくお)1941年(昭和16年)11月3日、栃木県宇都宮市生まれ。宇都宮工−早大−東洋工業。早大1年時に日本代表入り。74年にマツダの監督に就任。その後ユース日本代表監督や日本代表コーチを歴任した。96年からは京都のGMを務め、99年4月にJ2の川崎Fの監督に就任。同年にJ1昇格を成し遂げた。00年に同チームの社長に就任したが、チーム編成や強化などの実権を取り上げられ事実上解任される。家族は妻と娘がいるが現在は佐久市に単身赴任中。

写真=松本監督(左)は、ハーフタイムに地球環境イレブンに指示を出す


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