◇11月10日◇天童市・山形県運動公園陸上競技場◇決勝
山形中央が1−0で羽黒を下し、2年ぶり6回目の全国切符をもぎ取った。延長後半6分、MF菅井直樹(3年)のスーパーゴールで昨年準優勝の雪辱を果たした。
ゴールをこじ開けたのは、やはりこの男だった。0−0で迎えた延長後半6分、MF菅井がスーパーループで試合を決めた。ゴール手前25メートル付近。右サイドからフリーでボールをもらうと迷わず右足を振り抜いた。大きく弧を描いたボールは羽黒GK東海林龍一(2年)の頭上を越えてネットを揺らした。「キーパーが前に出ていたんでいけると思った」。緊迫した場面でGKの位置を瞬時に見極める冷静なプレーだった。
チームは前後半合わせて計23本のシュートを放ちながらも相手のファインセーブに阻まれる拙攻続き。「去年の決勝が頭をよぎった」(菅井)。昨年、延長の末に逆転負けした鶴岡東戦の屈辱が気持ちをゴールに向かわせた。同じボランチのフルハム稲本を尊敬している。「おれが決めてやると思った」。今大会3点目となるゴールは、積極的に攻撃に絡むプレースタイルを全面に押し出した結果だった。
8日にはJ1仙台と仮契約を済ませた。マスコミの取材が殺到し、疲れもあったが、「夢だったJ1入りが決まりプレーに気が入った」と精神面での成長も出てきた。木村雅善監督(34)は「普段は祈らないんですが、あの場面は決めてくれと叫びました。いいパフォーマンスを見せました」と手放しでたたえた。
ここ10年、山形勢は1回戦を突破できないでいる。菅井は「ベスト8には行きたい」ときっぱりと言い切った。東北の星が初戦を突破し全国区に名乗りを上げる。
羽黒「来年頑張る」
羽黒は山形中央と互角に渡り合ったが最後に力尽きた。1、2年チームで臨んだが及ばなかった。阿部洋介主将は「チャンスはあったんですが決められなかった。悔しいですが来年があるので頑張りたい」と雪辱を誓った。