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全日本高校女子サッカー選手権
◇4日・最終日◇ジュビロ磐田スタジアム◇天候 曇り◇35分ハーフ◇気温33度、湿度65%

 宮城県勢同士の戦いとなった決勝は、常盤木学園が聖和学園を2−0で破って初優勝した。連覇を狙う聖和学園の猛攻をGK鈴木理沙(2年)のファインセーブなどでしのいだ常盤木学園は、前半16分にFW渡辺樹里(3年)のゴールで先制。後半にもカウンターから渡辺樹が2点目を決めて逃げ切った。優勝した常盤木学園はフェアプレー賞も獲得した。


  常 盤 木 学 園 笑 顔 の 初 V  
優勝した常盤木学園の村上主将(中央)は両手を広げて、駆け寄ったチームメートを迎える
優勝した常盤木学園の村上主将(中央)は両手を広げて、ベンチから駆け寄ったチームメートを迎える
 うれし涙はなかった。試合終了を告げるホイッスルが鳴ると常盤木学園の選手たちは笑顔で駆け寄った。聖和学園には宮城大会決勝で1−2で敗れ、東北大会決勝でも勝ちはしたがPK戦でのもの。「(新チームになって3度目の戦いで)決着をつけられました」。DFとしてチームを統率した村上裕子主将(3年)は満面の笑みで胸を張った。阿部由晴監督(39)も「前向きな姿勢が優勝につながった。よくやったとほめてやりたい」と酷暑の中でピッチを駆け回った選手を称えた。

聖和学園FW落合(手前)と競り合う常盤木学園DF佐藤
聖和学園FW落合(手前)と競り合う常盤木学園DF佐藤
 放ったシュートは聖和学園の14に対し、常盤木学園は半分の7。鍛えられた守備を基点にしたカウンターからゴールは生まれた。前半16分、渡辺由似(2年)が放ったシュートはクロスバーに当たってはね返った。これを、しっかり詰めていた渡辺樹が右足で決めた。2点目も渡辺樹だ。後半23分に左足で思い切って放ったシュートは相手GKの正面。「取られたと思った」というボールはGKのキャッチミスを誘い、コロコロとゴールに転がり込んだ。151センチと小柄な渡辺樹は「高さの競り合いでは負ける。大きい人にはできない小回りのきくプレーで相手の裏を狙った」と汗をふいた。

2ゴールをあげて優勝に貢献した常盤木学園の渡辺樹(右)。左は聖和学園MF岡見
2ゴールをあげて優勝に貢献した常盤木学園の渡辺樹(右)。左は聖和学園MF岡見
 優勝候補に挙げられてはいたが、苦しい大会だった。大会初戦の啓明女(大阪)との戦いでFW天野実咲(2年)が右足首を負傷し、準々決勝以降の欠場を余儀なくされた。さらに準決勝では指令塔の岩沢和(2年)が負傷した。2人の主力を失っての決勝戦。村上主将は「2人の抜けた穴は大きかったけど、11人全員でチームプレーをすれば勝てると思っていた」と自信を持って決勝に挑み、結果を出した。

 高校日本一に輝いた常盤木学園の次の目標は、女子サッカー版“天皇杯”の全日本女子選手権(来年1月本大会)だ。宮城県予選は9月から始まる。阿部監督は「これで終わりじゃない。次もありますから」と口元をひきしめた。村上主将も「前線からの声の出し方やカバーリングなどまだ修正点があります」と反省の言葉を口にした。常盤木学園イレブンの挑戦はまだ終わらない。


 U−19日本代表・佐藤愛が奮闘 
 8月17日開幕のU−19世界選手権(カナダ)に出場するDF佐藤愛(3年)が左足打撲の負傷をかかえながら奮闘した。利き足の打撲だけに、本来の動きではなかったが、相手のFW山田雅奈子(3年)の動きを封じ込めた。「無失点で勝ててうれしい。世界選手権までにケガを治して今の高いモチベーションを維持しながら、決勝トーナメントに進出したい」と目標を口にした。佐藤は7日に渡加する予定。


 「感動与えるサッカーできた」聖和・国井監督 
 エースストライカーの山田、U−19日本代表の司令塔・渡辺夏奈(3年)を中心に連覇を狙ったが最後のツメを欠いた。国井精一監督(51)は「負けましたが、チームのコンセプトである見ている人に感動を与えるサッカーはできたと思います。負けて泣くことも大切なこと」と選手に賛辞を贈った。さらに世界選手権に出場する渡辺には「国際大会は国内の試合とは全く違う。何かを学んでチームに還元して欲しい」と期待を込めた。

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